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宮崎県産婦人科医会
平成24年度妊娠等の悩み相談窓口に関する研修会
「妊娠等の悩み相談窓口について」
公益社団法人日本産婦人科医会
神谷直樹
於宮崎県医師会館(平成25年2月2日)
本日の内容
(1)虐待及び虐待防止に関する経緯
(2)子ども虐待による死亡事例等の検証結果等についての概要
社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の
検証に関する専門委員会
第8次報告(平成24年7月)より
(3)公益社団法人日本産婦人科医会が
「妊娠等について悩まれている方のための相談事業」
を行うことになった経緯と経過
(医会全国アンケート結果を含む)
児童虐待の防止等に関する法律(平成12年)
(児童虐待の早期発見等)
第五条 学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健
師、
弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、
児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、
児童虐待の早期発見に努めなければならない。
(児童虐待に係る通告)
第六条 児童虐待を受けた児童を発見した者は、速やかに、
これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは
児童相談所に通告しなければならない。
児童虐待防止対策の経緯
児童福祉法による要保護児童対策として対応
平成12年
児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)の成立(平成12年11月施行)
・児童虐待の定義(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)
平成16年
・住民の通告義務 等
児童虐待防止法・児童福祉法の改正(平成16年10月以降順次施行)
・児童虐待の定義の見直し(同居人による虐待を放置すること等も対象) ・通告義務の範囲の拡大(虐待を受けたと思わ
れる場合も対象) ・市町村の役割の明確化(相談対応を明確化し虐待通告先に追加) ・要保護児童対策地域協議会の
法定化 等
平成19年
児童虐待防止法・児童福祉法の改正(平成20年4月施行)
・児童の安全確認等のための立入調査等の強化、保護者に対する面会・通信等の制限の強化、保護者に対する指導に従
わない場合の措置の明確化 等
平成20年
児童福祉法の改正(一部を除き平成21年4月施行)
・乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業等子育て支援事業の法定化及び努力義務化 ・要保護児童対策地域協議
会の機能強化 ・里親制度の改正等家庭的養護の拡充 等
平成23年
児童福祉法の改正(一部を除き平成24年4月施行)
・親権停止及び管理権喪失の審判等について、児童相談所長の請求権付与 ・施設長等が、児童の監護等に関し、その
福祉のために必要な措置をとる場合には、親権者等はその措置を不当に妨げてはならないことを規定 ・里親等委託中及
び一時保護中の児童に親権者等がいない場合の児童相談所長の親権代行を規定 等
児童虐待防止法の改正のポイント
• 児童虐待の定義の見直し
(同居人による虐待を放置すること等も対
象)
• 通告義務の範囲の拡大
(虐待を受けたと思われる場合も対象)
• 市町村の役割の強化
(相談対応を義務化し虐待通告先に追加)
• 子どもを守る地域ネットワークの法定化
(要保護児童対策地域協議会)
• 司法関与の強化
(強制入所措置、親指導、親権停止)
児童虐待相談の対応件数
○ 全国の児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は、
児童虐待防止法施行前の平成11年度に比べ、
平成23年度は5.2倍に増加。 59919件
70,000
59,919
56,384
60,000
50,000
40,639
37,323
34,472
33,408
26,569
23,738
23,274
17,725
40,000
30,000
20,000
10,000
42,664 44,211
11,631
1,101 1,171 1,372 1,611 1,961
5,352
2,722 4,102
6,932
↓
0
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
虐待による死亡事例件数の推移
○ 児童虐待によって子どもが死亡した件数は、高い水準で推移。
第1次報告
第2次報告
第3次報告
第4次報告
第5次報告
第6次報告
第7次報告
第8次報告
(H15.7.1~
H15.12.31)
(H16.1.1~
H16.12.31)
(H17.1.1~
H17.12.31)
(H18.1.1~
H18.12.31)
(H19.1.1~
H20.3.31)
(H20.4.1~
H21.3.31)
(H21.4.1~
H22.3.31)
(H22.4.1~
H23.3.31)
虐待
心中
死
計
虐待
心中
死
計
虐待
心中
死
計
虐待
心中
死
計
虐待
心中
死
計
虐待
心中
死
計
虐待
心中
死
計
虐待
心中
死
計
例数
24
-
24
48
5
53
51
19
70
52
48 100 73
42 115 64
43 107 47
30
77
45
37
82
人数
25
-
25
50
8
58
56
30
86
61
65 126 78
64 142 67
61 128 49
39
88
51
47
98
子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)について
市町村
保健機関
警 察
医療機関
学校・教育委員会
要保護児童等(要支援児童や妊婦を含む。)
民生・児童委員
・ 協議会参加者の守秘義務(児童福祉法第25条の5)
・ 支援内容を一元的に把握する機関の選定
弁護士会
保育所
児童相談所
民間団体
<児童相談所(平成23年度)の対応状況>
○虐待相談の経路別件数
児童相談所に寄せられた虐待相談の相談経路は、
近隣知人、警察等、家族、福祉事務所 からが多くなっている。
医療機関は4%程度
○虐待相談の内容別件数
身体的虐待 36.6%、 ネグレクト 31.5%
○主たる虐待者
実母 59.2%、実父 27.2% (両者で86.4%)
○虐待を受けた子どもの年齢構成
小学生36.2%、3歳から学齢前児童24.0%、0歳から3歳未満19.2%
なお、小学校入学前の子ども の合計は、43.2%。
<市町村(平成23年度)の対応状況>
○児童虐待相談対応件数
児童虐待に関する相談対応件数は、年々増加傾向にある。 70102件
○経路別虐待相談
児童相談所、学校、近隣知人からが多い。医療機関は2%程度
○内容別虐待相談
ネグレクト(38.5%)、身体的虐待(35.9%)、心理的虐待(24.3%)
○主たる虐待者
実母 66.6%、 実父 22.1% (両者で88.7%)
○虐待を受けた子どもの年齢構成
小学生35.1%、3歳~学齢前児童27.3%、0歳~3歳未満22.5%
子どもを守る地域ネットワーク
(要保護児童対策地域協議会)について
市町村(場合によっては都道府県)が、
子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)を設置し、
①関係機関相互の連携や役割分担の調整を行う機関を明確にする
などの責任体制を明確化するとともに、
②個人情報保護の要請と関係機関における情報共有の在り方を
明確化することが必要
<果たすべき機能>
要保護児童等(要支援児童や妊婦を含む。)の早期発見や
適切な保護や支援を図るためには、
・ 関係機関が当該児童等に関する情報や考え方を共有し、
・ 適切な連携の下で対応していくことが重要 である。
子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)の構成機関
都道府県
市・区
市・区 (10万 市・区
(30万 ~30 (10万
以上) 万未 未満)
満)
60
201
485
663
157
21
54
192
410
392
55
19
1,122
70.7%
1,086
69.6%
母子保健主管課
53
170
382
340
48
17
1,010
63.6%
954
61.1%
9
17
72
306
112
7
523
33.0%
512
32.8%
福祉事務所(家庭児童相談室)
35
118
346
83
21
18
621
39.1%
584
37.4%
福祉事務所(家庭児童相談室を除く)
50
138
215
39
11
19
472
29.7%
461
29.5%
保健センター
44
131
249
278
39
16
757
47.7%
713
45.7%
教育委員会
60
201
480
636
152
21
1,550
97.7%
1,503
96.3%
市設置の保健所
42
17
9
15
6
14
103
6.5%
88
5.6%
-
1
3
10
3
21
38
2.4%
36
2.3%
障害福祉主管課
41
148
220
319
64
13
805
50.7%
755
48.4%
その他
49
128
199
154
35
14
579
36.5%
507
32.5%
児童相談所
60
200
478
633
142
3
1,516
95.5%
1,487
95.3%
都道府県設置の保健所
12
175
430
470
95
1
1,183
74.5%
1,164
74.6%
3
20
99
384
97
2
605
38.1%
590
37.8%
警察署
59
199
477
633
139
21
1,528
96.3%
1,504
96.3%
法務局
45
127
282
221
26
19
720
45.4%
713
45.7%
5
19
13
5
-
9
51
3.2%
49
3.1%
16
39
79
71
15
8
228
14.4%
220
14.1%
病院・診療所
31
100
198
316
97
15
757
47.7%
742
47.5%
保育所(地域子育て支援センターを含む)
54
180
438
604
135
19
1,430
90.1%
1,422
91.1%
幼稚園
55
181
404
411
34
19
1,104
69.6%
1,082
69.3%
小学校
51
179
427
603
146
18
1,424
89.7%
1,419
90.9%
中学校
51
177
428
597
143
17
1,413
89.0%
1,375
88.1%
特別支援学校
16
61
97
73
12
7
266
16.8%
254
16.3%
児童館
23
45
89
101
13
8
279
17.6%
286
18.3%
乳児院
11
18
24
7
2
13
75
4.7%
61
3.9%
児童養護施設
33
79
106
55
4
19
296
18.7%
280
17.9%
情緒障害児短期治療施設
1
7
7
5
-
4
24
1.5%
24
1.5%
児童自立支援施設
1
6
6
8
1
5
27
1.7%
20
1.3%
児童家庭支援センター
6
30
54
41
10
8
149
9.4%
130
8.3%
障害児施設
8
27
45
32
3
8
123
7.8%
103
6.6%
配偶者暴力相談支援センター
16
22
45
17
4
7
111
7.0%
97
6.2%
その他
14
35
84
86
8
14
241
15.2%
225
14.4%
医師会
59
189
422
287
20
21
998
62.9%
983
63.0%
歯科医師会
33
112
144
70
4
16
379
23.9%
370
23.7%
看護協会
5
6
6
-
-
1
18
1.1%
20
1.3%
弁護士会
社会福祉協議会
23
38
35
129
41
270
11
368
3
81
17
11
130
897
8.2%
56.5%
110
851
7.0%
54.5%
民生委員児童委員協議会
57
188
452
572
122
21
1,412
89.0%
1,448
92.8%
NPO団体
里親会
16
6
50
5
59
14
35
7
6
-
15
9
181
41
11.4%
2.6%
169
36
10.8%
2.3%
その他
39
92
198
173
21
18
541
34.1%
583
37.3%
市
町
村
行
政
機
関
市設置の児童相談所
国
・
都
道
府
県
福祉事務所
家庭裁判所
その他
祉
施
設
等
関
係
団
体
等
参考
(平成22年4月)
合計
児童福祉主管課
児童福祉・母子保健統合主管課
福
指定
都市
村
数
1,587
地域協議会設置数(平成23年4月1日)
医
療
機
関
・
教
育
機
関
・
福
祉
施
設
等
町
%
100.0%
数
1,561
%
100.0%
子どもを守る地域ネットワーク
(要保護児童対策地域協議会)
への参加割合をみると、
行政機関では、教育委員会、
児童相談所、警察署、
都道府県設置の保健所の
参加率が高い
関係機関では、保育所、幼稚園、
小中学校の参加率が高い
関係団体では
民生児童委員協議会、医師会
の参加率が高い
結果となっている。
子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)の運営のイメージ
○協議事項や地域の実情に応じて会議を設定し、効果的な情報交換、意見交換を進める。
代表者会議
協議会の構成員の代表者による会議であり、実際の担当者で構成される実務者会議が円滑に運営されるための環境整備を目
的として、年に1~2回程度開催される。
① 要保護児童等の支援に関するシステム全体の検討
② 実務者会議からの協議会の活動状況の報告と評価
実務者会議
実際に活動する実務者から構成される会議であり、会議における協議事項としては例えば次のようなものが考えられる。
①
②
③
④
定例的な情報交換や、個別ケース検討会議で課題となった点の更なる検討
定期的に(例えば3か月に1度)、全ての虐待ケースについての状況確認、主担当機関の確認、援助方針の見直し等を実施
要保護児童等対策を推進するための啓発活動
協議会の年間活動方針の策定、代表者会議への報告
個別ケース検討会議
※ 個別の要保護児童等について、直接関わりを有している担当者や今後関わりを有する可能性がある関係機関等の担当者によ
り、当該要保護児童等に対する具体的な支援の内容等を検討するために適時開催される。
※ 会議における協議事項としては次のようなものが考えられる。
①
②
③
④
要保護児童等の状況の把握や問題点の確認(危険度や緊急度の判断)
援助方針の確立と役割分担の決定及びその認識の共有
ケースの主担当機関とキーパーソン(主たる援助者)の決定
実際の援助、介入方法(支援計画)の検討
※ 各関係機関の役割分担や次回会議の日程等、個別ケース検討会議で決定した事項については、記録するとともに、その内容
を関係機関等で共有することが重要
※ 協議会は、関係機関等に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる。
※ この協力要請は、協議会の構成員以外の関係機関等に対して行うことも可能。
地域での児童虐待防止のシステム
相談・通告
子ども
・
家庭
都道府県・福祉事務所
送致等
相談・通告
送致・支援等
相談・通告
児
童
相
談
所
措置等
児童養護施設
里親委託 等
報告等
市町村
(1)
関
係
機
関
保育所・幼稚園
通告等
(要保護児童
対策調整機関)
送致等
支援等
学校・教育委員会
警
察
207か所
医療機関
送致・通告等
保健所
(平成24年4
月1日現在)
家庭裁判所
(2)(3)
子どもを守る地域ネットワーク
申立て・送致等
(要保護児童対策地域協議会)
(1)平成16年から(市町村)
(2)設置率 98.0%
(平成23年度通告70102件)
(平成23年4月)
児相 59919件
(任意含:99.5%)
(3)平成20年改正
協議会の支援対象に追加
・乳児家庭全戸訪問で把握した児童、
・特定妊婦
本日の内容
(1)虐待及び虐待防止に関する経緯
(2)子ども虐待による死亡事例等の検証結果等についての概要
社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の
検証に関する専門委員会
第8次報告(平成24年7月)より
(3)公益社団法人日本産婦人科医会が
「妊娠等について悩まれている方のための相談事業」
を行うことになった経緯と経過
(医会全国アンケート結果を含む)
虐待相談の対応状況
○ 虐待相談を受け付けた後の対応状況は、
助言指導や継続指導等のいわゆる面接指導が51,626件(85.0%)と最も多く、
施設入所等については約7%の4,060件となっている。
施設入所等の内訳は、児童養護施設が2,697件(66.4%)と最も多くなっている。
平成23年度 虐待相談への対応
施設入所
等
その他
4,601件
(7.6%)
4,060件
(6.7%)
里親等
439件
(0.7%)
総数
60,726
面接指導
51,626件
(85.0%)
情緒障害児
短期治療施
設
159件
(3.9%)
児童自立支
援施設
117件
(2.9%)
乳児院
713件
(17.6%)
平成23年度 施設入所等の内訳
その他
374件
(9.2%)
総数
4,060
児童養護施
設
2,697件
(66.4%)
子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第8次報告)の概要
社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会
(平成24年7月)
対 象
厚生労働省が、都道府県、指定都市及び児童相談所設置市に対する調査により
把握した、平成22年4月1日から平成23年3月31日までの12か月間に発生し、又は
表面化した児童虐待による死亡※82事例(98人)を対象とした。
第8次報告
例数
人数
(参考) 第7次報告
心中以外の
虐待死
心中による
虐待死
計
心中以外の
虐待死
心中による
虐待死
計
45
51
37
82
47
30
77
47
98
49
39
88
死亡した子どもの年齢
心中以外の虐待死
1
2
8
2
1
11
4
5
11
3
7
9
7
2
3
2
7
3
9
8
6
7
13
9
3
6
1
6
0歳
11
第1次
23
第2次
6
第3次
7
7
3
11
9
8
5
7
37
20
3
4
4
3
2
3
3
2
4
6
39
20
20
第4次
第5次
第6次
第7次
23
第8次
死亡した子どもの年齢
低年齢に集中、特にゼロ歳児が
多い傾向は第1次から第8次報告ま
で
一貫している。
0歳児193/437例(44%)
437例
314例
「どげんかせんといかん。」!!
虐待による0歳児の月齢別死亡人数 (心中以外の虐待死)
(第1次報告から第7次報告:平成15年7月1日から平成23年3月31日)
区分
人数
構成割合
0か月
89
46.1%
1か月
10
5.2%
2か月
20
10.4%
3か月
8
4.1%
4か月
9
4.7%
5か月
6
3.1%
6か月
11
5.7%
7か月
11
5.7%
8か月
4
2.1%
9か月
6
3.1%
10か月
6
3.1%
11か月
5
2.6%
月齢不明
総数
8
4.1%
193
100.0%
子ども虐待による死亡事例等の検証結
果等について(第8次報告)より
0日・0か月児死亡人数(心中以外の虐待死)
25
22
0日
20
0か月
16
15
10
8
9
8
6
4
5
1 1
0
6
2
0
1
1
3
1
実母の心理的・精神的問題(複数回答)
心中以外の虐待死
心中による虐待死
35%
45%
41.2%
31.8%
30%
29.3%
40%
26.9%
26%
25.4%
35%
25%
25%
28.6%
30%
27.1%
25%
20%
15%
17.1%
12.7%
14.6%
11%
10%
12.2%
9.6%
9.6%
11.1%
13.6%
9.1%
13.6%
13.6%
20%
11.4%
15%
5.5%
4.9%
第4次
第5次
19%
18.8%
4.8%
2.3%
第7次
第8次
衝動性
攻撃性
怒りのコントロール不全
DVを受けている
うつ状態
20.6%
13.3%
17.6%
19%
12.5%
10%
第6次
23.5%
25%
11.90%
16.7%
0%
第3次
18.8%
9.5%
7.7%
5%
26.2%
25%
17.3%
10%
11.9%
7.1%
5%
2.1%
0%
第3次
第4次
2.9%
3.3%
4.8%
2.4%
第5次
育児不安
自殺未遂の既往
うつ状態
6.7%
第6次
第7次
衝動性
第8次
(人)
9
0日0か月児死亡事例
実母の年齢
0日
8
8
7
7
6
6
5
5
5
4
4
3
3
2
0か月
2
3
2
1
1
3
2
11
1
1
1
2
3
2
3
2
2
1
2
2
1
1
2
1
2
1
2
1
1
41
43
2
0
15
17
19
21
23
25
27
29
31
33
35
37
39
不明
(年齢)
実母の状況
0日(76人)
区分
望まない妊娠
精神的問題あり
経済的問題あり
若年出産経験あり
子ども虐待による死亡事例等の検証結
果等について(第8次報告)より
過去の遺棄あり
人数
58
4
18
29
13
構成割合
/76人
76.3%
5.3%
23.7%
38.2%
17.1%
0か月(13人)
人数
4
4
2
8
1
構成割合
/13人
30.8%
30.8%
15.4%
61.5%
7.7%
合計(89人)
人数
62
8
20
37
14
構成割合
/89人
69.7%
9.0%
22.5%
41.6%
15.7%
0日0か月児死亡事例
出産場所
0か月
1人
4人
(30.8%) (7.7%)
0日
51人
(67.1%)
0%
20%
自宅
8人
(61.5%)
14人 11人
(18.4%)(14.5%)
40%
自宅以外
60%
医療機関
区分
自宅出産の出産場所
トイレ
風呂場
その他
不明
子ども虐待による死亡事例等の検証結
果等について(第8次報告)より
計
80%
100%
不明
0日
0か月
合計
人数
構成割合
人数
構成割合
人数
構成割合
19
7
2
23
51
37.3%
0
0
1
3
4
0.0%
19
7
3
26
55
34.5%
13.7%
3.9%
45.1%
100%
0.0%
25.0%
75.0%
100%
12.7%
5.5%
47.3%
100%
事 例 の 分 析
1.心中以外の虐待死
実母の抱える問題(複数回答)として、
「若年妊娠」、
「望まない妊娠」、
「妊婦健康診査未受診」、
「母子健康手帳未発行」、
「乳幼児健康診査未受診」
2.関係機関の関与
児童相談所と市町村(児童福祉担当部署)の関与は、20%以下
要保護児童対策地域協議会で取り扱われていた事例は、10%以下
3.0歳児の「心中以外の虐待死」(0日・0か月児の事例)
実母の抱える問題(複数回答)として、
「母子健康手帳の未発行」
「妊婦健康診査未受診」
「10代の妊娠」
4.月齢1~11か月児事例では、要保護児童対策地域協議会での取扱いはなかった
しかし、10例のうち9例で、関係機関で何らかの関与があった
事 例 の 分 析
個別ヒアリング調査結果の分析ー4事例からー
1 妊娠期から出産後の養育について支援が必要な妊婦について、
関係機関でアセスメントや支援方針の協議をしていない。
2 養育者の成育歴や家族関係を考慮した効果的な支援をしていない。
3 組織的に情報を共有し、判断するような組織体制となっていない。
4 要保護児童対策地域協議会を十分に活用できていない。
市町村と児童相談所との役割分担・協働が不十分。
5 通告があったものの、居住実態が不明である家庭について、
子どもの安全確認をしていない。
6 子どもの発達に関する養育者の不安や悩みを受け止めていない。
7 妊娠期から支援している妊婦や疾患を抱える養育者に関し、
支援について医療機関と協議していない。
8 市町村が行う検証の在り方
検証組織の規模が不適切。
心中による虐待死事例の検証が十分に行われていない。
課 題 と 提 言 ―地方公共団体への提言―
1 虐待の発生及び深刻化予防
○望まない妊娠について相談できる体制の充実及び周知、経済的支援制度、里親・養子縁組制度等
の周知、各機関の連携の強化
○妊娠期・出産後早期から養育支援を必要とする家庭への医療機関等の関係機関と
連携・協働した支援の充実
○児童虐待や母子保健、精神保健など幅広い知識・技術を基に養育支援を必要とする家庭を把握し、
必要に応じ、児童福祉担当部署等の関係部署につなぎ、連携して支援する体制整備
○乳幼児健康診査や予防接種等を受けていない家庭等への対応
○近い将来に親になりうる10~20代の若年者などに向けた虐待予防のための広報・啓発
2 虐待対応機関の体制の充実
○児童相談所と市町村における体制整備、 ○児童相談所と市町村における専門性の確保
○民法・児童福祉法の改正等により拡充されてきた制度の適正かつ有効な活用
3 虐待の早期発見と早期対応
○通告義務・通告先等についての広報・啓発の一層の充実
○通告があったものの居住実態が把握できない家庭・子どもへの安全確認の確実な実施
4 地域での連携した支援
○地域の実情に合わせた市町村と児童相談所との役割分担と連携・協働の強化
○要保護児童対策地域協議会の活用のための調整機関の機能強化
○養育支援が必要な家庭が転居した場合の確実な連絡と引き継ぎ
○要保護児童と養育支援が必要な家庭についての市町村や児童相談所と医療機関との
積極的な連携・協働
○地方公共団体が行う転居事例等の検証における地方公共団体間の協力
課 題 と 提 言 ―国への提言―
1 虐待の発生及び深刻化予防
○望まない妊娠について相談できる体制の充実と関係機関との連携の強化の促進
○妊娠期・出産後早期から養育支援を必要とする家庭に関し、効果的な支援についての
知見の収集及び普及並びに医療機関等の関係機関と連携・協働した支援の促進
○近い将来に親になりうる10代~20代の若年者などに向けた虐待予防のための広報・啓発
2 虐待対応窓口の体制整備の充実
○児童相談所と市町村(児童福祉担当部署及び母子保健担当部署)の体制整備と
専門性の確保
○民法・児童福祉法の改正等により拡充されてきた制度の適正かつ有効な活用
3 虐待の早期発見と早期対応
○通告義務・通告先等についての広報・啓発
○通告があったものの居住実態が把握できない家庭・子どもへの安全確認の確実な実施
4 地域での連携した支援
○地域の実情にあわせた市町村と児童相談所との適切な役割分担と連携・協働の促進
○要保護児童対策地域協議会の活用の促進
○養育支援が必要な家庭が転居した場合の確実な連絡と引き継ぎの周知
○要保護児童と養育支援が必要な家庭についての市町村や児童相談所と医療機関との
連携・協働
○地方公共団体が行う検証における関係機関間の協力の促進
妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備について
○平成15年7月~平成22年3月までの児童虐待による死亡事例386人のうち
77人(19.9%)が、
日齢0日児(67人)又は日齢1日以上の月齢0か月児(10人)であり、
その大部分が関係機関が関与する機会がないか極めて少ないケースであることから、
妊娠等について相談しやすい体制や、関わりのある機会を見逃さない体制の整備が必要。
○平成23年7月27日付けで
「妊娠期からの妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備について」
(雇用均等・児童家庭局総務課長・家庭福祉課長・母子保健課長通知)を
都道府県市に通知し、体制整備を推進
○妊娠等に悩む人たちからの相談に対し、各相談機関が、相互に連携して適切な対応を
行えるようにするとともに、社会的養護による支援制度について、各相談機関等に周知し、
必要とする人への的確な情報提供と活用の促進を図り、児童虐待の防止を図ることが必要。
妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備について
妊娠等に関する相談窓口
産科等医療機関
NPO,各団体
(望まない妊娠含む)
妊娠等に関する相談窓口(行政)
相
談
窓
口
保
護
・
支
援
制
度
(*各都道府県で設置、周知、相談内容に応じて他の相談機関に紹介し連携)
女性健康
女性健康
センター
センター
児童
児童
相談所
相談所
保健所
保健所
市町村
市町村
保健
保健
センター
センター
福祉
福祉
事務所
事務所
婦人
婦人
相談所
相談所
乳児院
母子生活
支援施設
婦人
保護施設
養子縁組
助産施設
里親
(特別養子
縁組・普通
養子縁組)
地域における児童虐待防止のシステム
(平成16年改正を受けて)
相談・通告
子ども
・
家庭
妊婦
相談・通告
産科医療機関
保育所・幼稚園
学校・教育委員会
警
児
童
市
相
談
町
所
要保護児童対策地域協議会
村
送致
相談・通告
察
医療機関
保 健 所
送致等
都道府県
福祉事務所
支援等
措置等
報告等
児童 養護施設
里親委託
等
送致等
支援等
通告等
全市代表者会議
送致・通告等
代表者会
子どもを守る地域ネットワーク
実務者会議
(要保護児童対策地域協議会)
個別ケース検討会議
申立て・送致等
家庭裁判所
8
厚労省雇用均等・児童家庭局総務課長・母子保健課長通知
(平成23年7月27日)
安心こども基金における「児童虐待防止対策の強化」について
体制整備は地方自治体の担当部署(母子保健、児童福祉)、関係機関、関係団体
等により連携体制を十分検討することが必要。
この仕組みの立ち上げや立ち上げ後の周知のための経費は
「安心こども基金」の児童虐待防止対策の強化として支出して差し支えない。
<平成23年度第4次補正予算案>
安心こども基金の積み増し・延長(平成24年度末) 1234億円
・保育サービス等の充実
・すべての家庭を対象とした地域子育て支援の充実
・ひとり親家庭への支援
・児童虐待防止対策の強化
子どもの安全確認の強化のための補助職員の雇い上げや広報啓発、
児童相談所や市町村の職員の資質の向上などを実施する
<平成25年度以降も同規模で継続予定との情報あり>
(1)「妊娠期からの妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の
整備について」
厚労省雇用均等・児童家庭局
総務課長、家庭福祉課長、母子保健課長発出、
各都道府県児童家庭局・母子保健主管部(局)長宛
(平成23年7月27日)
(2)「妊娠・出産・育児期に養育支援を特に必要とする家庭に係る
保健・医療・福祉の連携体制の整備について」
厚労省雇用均等・児童家庭局母子保健課長発出、
各都道府県児童家庭局・母子保健主管部(局)長宛
(平成23年7月27日)
(3)日本産婦人科医会が実施する
「妊娠等について悩まれている方のための相談援助事業」について
厚労省雇用均等・児童家庭局総務課発出事務連絡
(平成23年10月20日)
*守秘義務と個人情報保護との関係
児童虐待の防止や対応のために
児童相談所や市区町村に必要かつ
相当な範囲で行う「情報提供」や、
児童相談所や市区町村への「通告」
は、正当な行為や第三者提供禁止の
除外規定に該当し、
基本的に守秘義務と個人情報保護に
係る規定違反とはならない。
⇗
平成24年11月30日付け
厚生労働省
「児童虐待防止等のための医療機関との
連携強化に関する留意事項について」
平成24年11月30日付厚生労働省
「児童虐待防止等のための医療機関との連携強化に関する留意事項について」
本日の内容
(1)虐待及び虐待防止に関する経緯
(2)子ども虐待による死亡事例等の検証結果等についての概要
社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の
検証に関する専門委員会
第8次報告(平成24年7月)より
(3)公益社団法人日本産婦人科医会が
「妊娠等について悩まれている方のための相談援助事業」
を行うことになった経緯と経過
(医会全国アンケート結果を含む)
虐待死事例の検討より、原因の一つに
「望まない・望めない妊娠・出産」がある。
このような妊娠に悩む女性の相談に乗ることができるのは、
妊娠に関わる産科医療機関の
医師、助産師、看護師など診療所等のスタッフ全員である。
そして、児童福祉法第6条の2第5項で
「出産後の養育について出産前の支援が特に必要な妊婦」を、
「特定妊婦」と定義されているが、
この特定妊婦と直接的に接するのも、産科医療機関の
医師、助産師、看護師など診療所等のスタッフ全員である。
そこで、 我々は妊娠に悩む女性に最も近い存在であり、
「妊娠に悩む女性の相談窓口」として
虐待防止の最前線に立つことにした。
妊娠等について悩まれている方のため
の
相談援助事業連携マニュアル
公益社団法人日本産婦人科医会
平成23年10月
1.はじめに
2.日本産婦人科医会が実施する
妊娠等について悩まれている方のための
相談援助事業
3.子どもを守る地域ネットワーク
(要保護児童対策地域協議会)等について
4.事業全体像と各医療機関内組織図
5.スタッフ教育の手引き
6.ハイリスク症例発見のためのチェックリスト
7.ハイリスク症例を発見した時の対応
8.未受診妊婦等医療機関を
受診されない妊婦さん対策への参画
9.保護・支援制度等について
10.「妊娠等について悩まれている方の
ための相談援助事業」Q&A
11.安心こども基金各都道府県担当課一覧
12.参考資料
相談事業概略図
特定妊婦・家族
受診行動
受診 有
④
受 診 行動無
( 未 受診)
①
各産科等医療機関
(安心母と子の委員会)
<市・区・町等単位で設立>
子どもを守る地域ネットワーク
(要保護児童対策地域協議会)
②
NPO、各団体等
①
・特定妊婦のスクリーニング
・妊娠・分娩に関する情報提供
③
各都道府県産婦人科医会
都道府県児童福祉・母子保健主管
公益社団法人日本産婦人科医会
厚生労働省
②
・子ど もを守る地域ネットワーク
(要保護児童対策地域協議会)に参加
・医療機関内に院内委員会設置
(全ス タッフへの意識付けと参加)
③
・各都道府県産婦人科医会内に
事業推進委員会(仮称)設置
・会員へ事業推進のための情報提供協力
・都道府県所管との交渉窓口になる
④
・妊娠・分娩に関する情報発信に参画
・公的支援等に関する情報発信
都道府県ごとに特色ある対策立案と実行が期待されている。
平成24年7月27日
各都道府県産婦人科医会会長 殿
公益社団法人日本産婦人科医会
会長 寺尾 俊彦
担当常務理事 神谷 直樹
『妊娠等について悩まれている方のための相談事業』の進捗状況に関するアンケート調査のお願い
謹啓
平素より本会の事業にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、昨年末より本会で展開して参りました『妊娠等について悩まれている方のための相談事業』も
半年が経過しましたが、各都道府県での現状を調査させていただきたいと存じます。
本事業は、0歳児の虐待及び虐待死をゼロにすることを目標に、厚労省(雇用均等・
児童家庭局総務課長、家庭福祉課長、母子保健課長通知、平成23年7月23日)からの通知を受け、
本会が開始したものです。昨年末に医会報に医会作成のマニュアルを同梱させていただき、
各都道府県産婦人科医会会長のご指導により浸透しているとは存じますが、各地域での問題点等の
ご意見も賜りたく存じます。本事業は、産婦人科医にしかできない事業であることを留意いただき
今後ともご協力の程よろしくお願いいたします。
つきましては、ご多忙中の先生方におかれては、ご迷惑なお願いで誠に申し訳ないことですが、
趣旨をご理解いただき添付の質問事項にご回答の上、平成24年8月13日までにFAXにてお返事を
お願い申し上げます。
謹白
アンケート調査項目
(1)貴都道府県産婦人科医会において、本事業推進委員会等は設置されていますか?
( )設置されている
( )設置されていない
⇒設置するために解決されるべき問題点を教えてください
(
)
(2)貴都道府県において、平成24年7月の時点で「子どもを守る地域ネットワーク」に
参加している産婦人科医はいますか?
( )います ⇒何人くらい参加していますか? (
)人
( )いません
⇒産婦人科医が参加するために解決されるべき問題点を教えてください
(
)
(3)貴都道府県において、平成24年7月の時点で「妊娠等の悩み相談窓口」と表示された
診療所等はありますか?
( )あります → (
か所)
( )ありません
⇒診療所が事業参加するために解決されるべき問題点を教えてください
(
)
(4)本事業に関して、日本産婦人科医会本部への要望がありましたらお教えください
(
)
事業推進委員会の設置について
アンケート回収率 97.9% (未回答 1県のみ)
<事業推進委員会(仮称)>
設置
支部内既存委員会等で活動
(活動)
未設置(既存委員会活動3含)
準備中
<設置に際し解決すべき問題点>
(1)医療機関と行政の連携
(2)医会内部での連携
(3)人的資源の不足
(4)周知啓蒙不足
11/46
3/46
(14/46)
35/46
13/35
子どもを守る地域ネットワークへの参加について
<子どもを守る地域ネットワークに参加>
参加会員の有りの地域
参加会員の無しの地域
不明
参加会員人数(全国)
参加会員人数(長崎県)
参加会員人数(岩手県)
参加会員人数(北海道)
参加会員人数(山梨県)
参加会員人数(栃木県)
参加会員人数(その他)
22地域
20地域
4地域
152名
52名
38名
30名
10名
6名
16名
*人数把握が困難で計上されていない支部が存在することを考慮
要対協に参加するために解決すべき問題点
子どもを守る地域ネットワークに参加するために解決すべき問題点
(1)啓発不足
(2)県又は地区医師会との連携ないし役割分担
(3)産婦人科医が参加する環境にない
(4)厚労省から要対協ネットワークに産婦人科医を入れる通達が必要
⇒厚労省雇用均等・児童家庭局総務課発出事務連絡 (平成23年10月20日)
日本産婦人科医会が実施する
「妊娠等について悩まれている方のための相談援助事業」について
⇒ 最前線に立ち、情報を共有して虐待死のゼロを目指す以上、
要対協との連携は必須
⇒各地域において自治体及び地区医師会への積極的な働きかけを
お願いしたい
「妊娠等の悩み相談窓口」表示について
「妊娠等の悩み相談窓口」表示
表示施設<有>地域数
表示施設数(全国)
長崎県
栃木県
山口県
表示施設有無不明地域数
8
191
79
68
30
38
「妊娠等の悩み相談窓口」表示に対する意見
*外来の日常診察で指導対応しているため、
わざわざ表示することもないとする消極的な回答も。
*問題点としてマンパワー不足、多忙を挙げ、
スタッフの対応で可とする意見も。
*行政内部の連携・連絡が悪く、事業が進まないとの意見も。
⇒人的資源は限られており事業は大変ではあるが、
本件事業の重要性に鑑み、可及的速やかに対応されるよう期待します。
⇒提案解決策
①会員に周知し賛同を求めること、
②モデル事業所を設定すること、
③市や保健所との連携を深めること、
④個々の診療所のみで対応することにより、 過度の負担と
ならないようネットワークとの連携を確立すること。
日本産婦人科医会本部への要望-1
ア、対応患者の個別表を作成して欲しいとの要望について
<愛知県の例>
妊娠中の女性の悩みの早期発見とカウンセリングを目指し、
県が妊娠届書を作成している。その中で、
一般的な妊娠経過に関する設問と選択肢の他に、
「妊娠が分かった時はどんなお気持ちでしたか」
「困ったときに助けてくれる人はいますか」
「眠れない、イライラする、涙ぐみやすいなどの
症状がありますか」等の
設問及び選択肢を提示している。
ハイリスク症例の早期発見に資すると考えられる。
質問項目
1、現在、妊娠は順調ですか。
2、今までにお産の経験はありますか。
3、流産・早産等を経験したことがありますか。
4、今回の妊娠は不妊治療をしましたか。
5、今回の妊娠が分かった時はどんなお気持ちでしたか。
6、里帰りの予定はありますか。
7、困った時に助けてくれる人はいますか。
8、現在、「困っていること」「悩んでいること」「不安なこと」などはありますか。
9、現在、あなたはタバコを吸いますか。
10、現在、夫(パートナー)や同居家族は、同室でタバコを吸いますか。
11、現在、アルコールを飲みますか。
12、今までにかかった病気や現在治療中の病気はありますか。
13、この1年間に、2週間以上続く「眠れない」「イライラする」
「涙ぐみやすい」「何もやる気がしない」などの症状がありますか。
子ども虐待による死亡事例等を防ぐために
これまでの報告にみられたリスクとして留意すべきポイント
<養育者の側面>
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
妊娠の届出が遅い
妊娠の届出がなされておらず、母子健康手帳が未発行である
中絶を希望している
医師、助産師の立会いなく自宅等で出産した
妊婦健康診査が未受診である又は受診回数が極端に少ない
関係機関からの連絡を拒否している(途中から関係が変化した場合も含む)
乳幼児健康診査が未受診である(途中から受診しなくなった場合も含む)
精神疾患や強い抑うつ状態がある
子どもの発達等に関する強い不安や悩みを抱えている
子どもを保護してほしい等、養育者が自ら相談してくる
虐待が疑われるにもかかわらず養育者が虐待を否定
訪問等をしても子どもに会わせない
過去に自殺企図がある
多胎児を含む複数人の子どもがいる
※子どもが低年齢である場合や離婚等による一人親の場合であって、
上記ポイントに該当するときには、 特に注意して対応する必要がある。
情報提供の対象となりうる例
※ 項目に該当する妊産婦又は子どもがいる家庭のうち、早期に養育支援を行うことが特に必要であると判断した場合
<保護者の状況>
・分娩時が初診
・初回健診時期が妊娠中期以降
・望まない妊娠(産みたくない、産みたいけれど育てる自信がない等)
・妊娠・中絶を繰り返している
・精神疾患がある(産後うつを含む)
・知的障害がある
・アルコールまたは薬物依存が現在または過去にある
・若年(10代)妊娠
・多子かつ経済的困窮
・妊娠・出産・育児に関する経済的不安(夫婦ともに不安定な就労、無職等)
・一人親・未婚・連れ子がある再婚
・多胎
・長期入院による子どもとの分離
・産後、出産が原因の身体的不調が続いている
・子どもを抱かない等子どもの世話を拒否する
・子どもをかわいいと思えないなどの言動がある
・夫や祖父母等家族や身近の支援がない
・医療を必要とする状況ではないが子どもを頻繁に受診させる
・育児知識・育児態度あるいは姿勢に極端な偏りがある
・衣服等が不衛生
・虐待歴・被虐待歴がある
・DVを受けている
・過去に心中の未遂がある
「妊娠・出産・育児期に養育支援を特に必要とする家庭に係る保健・医療・福祉の連携体制の整備について」
(平成23年7月27日雇児総発0727第4号、雇児母発0727第3号、厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長、母子保健課長通知)より
日本産婦人科医会本部への要望-2
ア、対応患者の個別表を作成して欲しいとの要望について
<奈良県の例>
愛知県と同様の質問に加え、
「今、心配なことに○をつけてください」という質問を設定し、
①妊娠の経過、
②出産のときのこと、
③子育ての仕方、
④上の子の育児、
⑤病気のときの対応、 ⑥自分自身の健康面、
⑦夫・パートナーとの関係、 ⑧あなたや夫・パートナーの親のこと、
⑨経済面、
⑩近所・親戚付き合い、 ⑪育児への周囲の協力、
⑫仕事、
⑬その他
という選択肢を入れたアンケートによる聞き取り調査を行っている。
また「里帰りされる予定ですか」、「電話で状況をお伺いすることが
ありますが、同意していただけますか」、「訪問員や助産師が
訪問することに同意していただけますか」などの質問を設け、
早期発見等に向けた努力がなされている。
日本産婦人科医会本部への要望-3
イ、行政からの働きかけが欲しい、
又は、行政を動かす方策を教えて欲しい等の要望について
⇒具体的な提案を行政に対して行うことがある程度有用と思われる。
奈良県では、市町村と医療機関が常に連携し、虐待予防への対処を
行おうとしている。母子手帳発行時に保健師・看護師による聞き取り、
リスク要因を発見した場合に市町村は受診医療機関へ情報提供をする
とされている。
また医療機関においても、外来診察時、入院時、入院中、そして退院時も、
患者・家族と市町村及び医療機関の3者間で情報の交換・共有がなされ、
三者合同面談の機会も設けるとされる。
そして、市町村と医療機関での調査様式は早期発見のためにも統一様式で
実施するとのことである。
また、電話やメールで誰もが24時間相談できる相談窓口を設けると
している。
奈良県例
奈良県例
子ども虐待による死亡事例等を防ぐために
これまでの報告にみられたリスクとして留意すべきポイント
<子どもの側面>
○ 子どもの身体、特に、顔や首、頭等に外傷が認められる
○ 子どもが保育所等に来なくなった
○ 施設等への入退所を繰り返している
○ きょうだいに虐待があった
<生活環境等の側面>
○ 児童委員、近隣住民等から様子が気にかかる旨の情報提供がある
○ 生活上に何らかの困難を抱えている
○ 転居を繰り返している
○ 孤立している
<援助過程の側面>
○ 単独の機関や担当者のみで対応している
○ 関係機関の役割、進行管理する機関が明確でない又は適切でない
○ 要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)が適切に
開催されていない又は進行管理ができていない
※子どもが低年齢である場合や離婚等による一人親の場合であって、
上記ポイントに該当するときには、特に注意して対応する必要がある。
妊娠診断薬
産科医療機関へ行く前に、
薬局で妊娠診断薬を購入し、
自分で検査することが多い。
陽性の場合
ヒヤー!嬉しい!
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
しかし、中には
陽性が悩みの始まり
の場合もある。
薬局と連携し、妊娠診断薬販売と同時にパンフレットを渡す。
「妊娠等悩み相談窓口」に相談して下さい。
妊娠検査薬販売棚の隣に置き
自由に取れるように配慮
薬局に協力依頼
手札サイズで、直ぐポケット等に
入れられるように配慮
妊娠・出産・育児期に養育支援を特に必要とする家庭に係る
保健・医療・福祉の連携体制の整備について
医療機関
地域で継続した
支援体制
出産
妊娠に関する相談
妊婦健診
妊娠
早期に養育支援が必要な妊産婦や
子どもがいる家庭について、市町村
へ情報提供
市町村と連携して医療の提供
家庭に対し、地域の母子保健サー
ビスや窓口の情報提供
産後健診
出産
乳児家庭全戸訪問
(こんにちは赤ちゃん)
妊娠の届出
行
政
機
関
妊婦訪問
養育支援訪問
子育てスタート
妊娠届け時に面接し、妊婦の身体的、精神
的、経済的状態などを把握し、支援の要否を
確認
支援が必要な場合は、特定妊婦として妊娠
期から関係機関と連携し早期から支援
新生児訪問
未熟児訪問
養育支援訪問
日本産婦人科医会本部への要望-4
ウ.外来や街頭に掲示できる看板等の作成をして欲しい。
もう少し頑丈な標識にして欲しいとの要望について
⇒看板標識については「安心こども基金」から費用捻出が可能であり、
各医会において当該都道府県の「安心こども基金」担当部署と
交渉していただきたい。
施設内掲示例 (この施設は屋外にも掲示されている)
安心母と子の委員会(産科等医療機関内)
全スタッフが同じ姿勢で対応できるように、 例えば
「安心母と子の委員会」を設置し、定期的に研修する。
医師
助産師
看護師
安心母と子の委員会
保健師
看護助手
事務職員
その他
対社会活動:講演等やパンフレット配布等で情報提供にも努める。
様々な支援があること等を。
<電話でのチェックリスト>
□定められた診療・受付時間外に電話をしてきたり、
診療を求めたりする
□予約を取る際に、自分の都合を優先したがる
□こちらから連絡すると何時も繋がらない、留守番電話に
メッセージを残すが、連絡が来ない
<受付でのチェックリスト>
□母子健康手帳、妊婦健診受診票、保険証を持参しない
□母子健康手帳にほとんど記載がない
□妊婦健診の受診が極端に少ない
□妊婦一人での受診が多く、パートナーの同席がない
□診療費に対しての問い合わせが多い
□外国人
<診察時のチェックリスト>
□妊娠週数が進んでからの初診
□若年妊娠
□母子健康手帳を忘れることが多く、妊婦健診の受診回数が少ない
□妊婦健診で胎児の状況に関心が少ない
□母親学級に出席していない
□DV被害を思わせる外傷などで受診している
(腹部の打撲や外傷、頭部外傷、繰り返す腟炎等)
□精神性疾患を有する(既往がある)
□知的障害を有する
□アルコール依存、薬物依存がある(既往がある)
□流産歴(人工妊娠中絶を含め)が多い
□育児・医療に関して偏った考えに固執している
□診察中に携帯電話が鳴るとその電話に出て話し出す
□薬などを執拗に欲しがる
<診療後のチェックリスト>
□処方した薬の説明を聞かない
□診療への不満を訴える
□支払いをしない
□次回の診察に対してその確認をしない
□話の要領を得る受け答えができない
(参考文献) 医療従事者のための子ども虐待防止サポートブック
医療現場からの発信: 奥山 真紀子ほか クインテッセンス出版(株)
ハイリスク症例発見のためのチェックリスト
<妊娠初期チェックリスト(1)>
□妊娠出産歴(回数多い)
□妊娠届出週数(妊娠23週以降)
□死産や突然死歴
□精神疾患がある(精神科の薬を内服中・
マタニティーブルーズや産後うつ病等含む)
□知的障害がある
□アルコールまたは薬物依存が現在または過去にある
□経済困難
□住所が不確定(居住地がない)、転居を繰り返す家庭である
□親族や地域社会から孤立した家庭(例:宗教等から周囲との
関係を拒否等)である
□一人親・未婚・連れ子がいる再婚である
□内縁者や同居人がいる家庭である
□多子かつ経済的困窮世帯である、衣服等が不衛生である
<妊娠初期チェックリスト(2)>
□経済的不安(夫婦ともに不安定な就労、無職等)がある
□夫や祖父母等身近の支援者がない
□夫婦不和,配偶者からの暴力(DV)等不安定な状況の家庭
□望まない妊娠
□婚姻状況(再婚・未婚・離婚等)
□若年妊娠
□虐待歴・被虐待歴がある
□望まない妊娠、妊娠・中絶を繰り返している
□こだわりや、子どもへの関心が異常に強い
□話の要領を得る受け答えができない
□子どもを抱かない等子どもの世話を拒否、子どもを
かわいいと思えないなどの言動がある
□元来、性格が攻撃的・衝動的である
□育児に対する不安やストレスが高い(保護者が未熟等)
<出産前後のチェックリスト(1)>
□母子健康手帳未発行・妊婦健康診査未受診・妊娠後期に
妊娠の届出
□妊婦健診を定期的に受けていない
□妊娠中・産後の心身の不調がある
□とびこみ出産、墜落分娩等
□子どもとの関わり方が不自然
□話の要領を得る受け答えができない
□育児の協力者がいない
□親に不眠や食欲不振、アルコール、薬物、タバコ等の嗜癖、
極端な潔癖症がある
□家庭内不和、DVがある
□転居を繰り返す
□地域や社会から孤立している
□情報提供の同意が得られない
□エジンバラ産後うつ病質問票利用
<出産前後のチェックリスト(2)>
□出生届出が遅い、出さない
□未熟児、NICU入院歴がある
□育てにくい(ミルクを飲まない、よく泣く等)
□体重増加が悪い
□多胎妊娠・出産である
□先天性疾患がある
□胎児に疾病,障害がある
□身体発育の遅れがある
この相談援助事業は
特定妊婦*を抽出するのが目的ではない。
また、安易に
児童虐待予備軍、児童虐待ハイリスク妊婦
などのレッテルを貼らないことが大切。
妊婦の悩みを解消することが目的。
「そのためには、悩む妊婦に共感しながら話を聞く。
そして行政などの力を借りて最適な解決法を
見いだすことが目的。」
改正児童福祉法において養育支援訪問事業の対象として
*特定妊婦:出産後の養育について出産前の支援が特に必要な妊婦
おわりに
産婦人科医療関係者全てが
各地域のネットワークの「核」になり、
虐待死ゼロのための最前線に立っていただきたい。
本事業はプライオリティーが高い案件であり、
産婦人科医療関係者全てが一丸となって
地域社会へ貢献する絶好の好機です。
各地域医会においては、行政への働きかけと連携を
より一層図るなど、更に対応されることをお願いしたい。
医会会長